2013年6月にフランスで出会った一着のヴィンテージ。
それは100年近くの歳月を経て、今も その存在を誇示していた。
1900年代前半に、フランスのコックジャケット(シェフジャケット?)として使用されていた、ブルーカラーが美しいダブルブレストのジャケット。
このコックジャケットに使われている素材で良く見かけるのは千鳥格子柄のコットン。
これは素材にリネンを使用した、あまり見かけない何とも風合いのあるジャケット。
浅めのダブルブレストと特徴的なラペル。
細かな運針で縫いあげられた丁寧な作りのジャケットに強烈に惹かれたのを覚えている。
バックスタイルも特徴的で、70'sのアメリカ衣服に見られるような切り替えがデザインされた背面はその魅力を強く感じるものであった。
丁寧で細かい作り。
アメリカンワークスタイルとはまた違った魅力を醸すフレンチワークスタイル。
今回『BRAIN TRUST』で初挑戦となる衣類。
一作目はコレだ!
と迷いは無かった。
そこまで私を魅了した魅力の一つに、このような部分があったであろう。
それは、長年の使用に耐えきれずホツレや損傷が出た箇所。
これを、当時の使用者なのか その奥さんなのか?
とにかく、この装束を着続ける為に補修した跡が随所に見られる。
大切にされていた証が残っていたのだ。
あくまでも必死に仕事をして荒々しく使用された事による損傷。
それを奥さんが家で直す。
そんな過去のストーリーが見えてくるような気がして、とても愛おしい。
大量生産、大量消費が常となった現代に、こうやって何度も何度も直して着て行く洋服があったという過去を思い出し、我々が扱う洋服もそうであって欲しいと常に思う。
そして、大切に着続ける事をしたくなる洋服を作りだすべきなんだと。
1900年代前半に使用されていたCook Jacketをベースに、BRAIN TRUST的な解釈で現代に蘇らせたダブルブレストのジャケットです。
ラペルが装着され、浅めのダブルブレストが特徴的なこのジャケットは当時フランスのシェフ(コック)が着用していたと言われております。
マテリアルはコットン100%のブラックモールスキンを使用。
当時のフレンチワークによく見られるマテリアルであるという事と、耐久性、使用した先の経年変化を楽しめるマテリアルであるという事からの採用となりました。
特徴的なバックスタイルもしっかりと再現しております。
当時の作りの特徴でもある、細かく設定された運針数と細めの糸もオールドな雰囲気を醸し、バックスタイルに現れる、縫製箇所のパッカリングは ひとつのデザインとして成立してしまいそうな程ですね。
ラペル部の留めボタンをはずしていただくと、ラペル自体が自由にになって立体感が出ます。
これは好みに応じて使用していただいてもイイかもしれませんね。
シルエットに関しては現代のファッションシーンに合った細身の・・・・といった形にはしておらず、あくまでワークジャケットであった当時のシルエットを醸しだすべくカバーオール的なシルエットで製作しております。
非常に短めな当時モノの着丈だけは、どうしても昨今のボトムの穿き方からして不細工であった為、そこはしっかりと調整を施し、当時のフレンチワークスタイルを存分に楽しんでいただける雰囲気が達成されました。
それでは、早速着てみましょうか
オーソドックスなDENIMスタイルから
テーラードスタイルながら、武骨なワークジャケットである本製品は オーソドックスなシルエットのデニムパンツとの相性も抜群です。
ボディー色がブラックながら、モールスキンを使用している事で良い感じにかすれた色味が、色落ちしたブルーと良く合います。
インナーには、
カジュアルな発色のチェックシャツを着用し、カッチリとし過ぎないコーディネートをお楽しみいただけます。
こちらもオーソドックスなCHINOスタイル
秀逸なシルエットで大変好評をいただいております
John Lofgren のARMY CHINOをセットしてみました。
男らしいシルエットのCHINO PANTSとの相性は非常に良く、落ち着いた雰囲気を演出します。
足元にはドレスブーツなどで綺麗にまとめてあげてもイイですね。
ダークカラーのジャケットですから、この時期の首元には
マフラーを巻いてアクセントにしていただくとさらに雰囲気良く着こなしていただける事でしょう!
この時期にマストな着こなしと言ったらコーデュロイのトラウザースでのコーディネートでしょうか?
先日新入荷したばかりの、
SUGAR CANE製 コーデュロイトラウザース。
タックの入ったディテールで、シルエットに関してはテーパードの若干強い 太すぎず細すぎない絶妙なシルエット。
ブラックベースのトラウザースを使って、あえてダークカラーでコーディネートしてみました。
キャスケットは
SUGAR CANE アップルジャック。
首元には
Dapper'sのマフラーを使用しております。
ワンランク上の、シブい着こなしが達成されます。
そして、やっぱりここでも使用します。
最近のお気に入り
ナイジェル・ケーボン M-51 PANTS。
かなり太いシルエットのパンツに、武骨且つ品のある本製品は非常に良く合う組み合わせと言えるでしょう。
調整したとは言え、ジャケットスタイルながら非常に短めの着丈が、こういった武骨なパンツとのコーディネートに活躍してくれます。
CAPはあえて
JeepCap的な帽子を使用して、より土臭さを演出しても良いかと思います。
というように、かなりコーディネートの幅が広がるJACKETが完成いたしました。
このジャケットの製作にあたりご協力いただいた皆様、ゼロからパターンを起こして洋服を製作するという我々MUSHMANS[BRAIN TRUST]の新たな挑戦にお付き合いいただけました事を、心より感謝の意を表します。
なかなか、我々の意思が伝わらず・・・私自身も服飾を作るというところでの専門知識が無い中で、専門用語が飛び交い、かなり歯がゆい所が多々ありましたし、そして多大なるご迷惑をおかけしたと思います。
こればっかりは、とにかく勉強あるのみ!
完成したファーストサンプルは、私達の意図しているものとは大きく異なり、、、様々な方々からの意見をいただきました。
モノの見方は三者三様、それでも我々が目指すゴールというのは一つだけ。
最終的に、救いの手を差し伸べてくれたのは 私の弟である「東吾氏」でありました。
フランスで洋服づくりに勤しむ彼にパターンを引きなおしてもらったという事で、この製品が完成したのです。
モノゴトを伝えるという事の難しさと、伝えずとも伝わっている兄弟というモノの有難さ。
この製品によって、色んな事が見えた気がします。
Merci Togo!
本製品は、店頭もしくは
オンラインショップでご購入が可能です。
出来れば現物を一度御覧いただきたい!
是非店頭に遊びに来て下さいませ